22 印刷所小景
印刷と文化、文化と創造、吾々の生活に一日もなくてはならぬ存在だ。この世の中から印刷に關する凡ての物を取り去つたら世は忽ち暗黒となつて了ふ。印刷術發達の程度こそ眞に文化測定のスケールだと云へる。版畫は少國民新聞社の前景。新聞社とは名のみ純然たる印刷所、通用門の前に立てるは當社の社長か。東京日本橋には不二印刷所を經營し發展振りを見せてゐる。本書の印刷は本所の手を煩はしたものである。 市内の活版所には山梨印刷、勞資新聞社、又新社、芳文堂、深澤等があり、製版方面には島寫眞工藝社がある。
(矢崎好幸)