IPS−3000 PCインターフェース回路と作り方 1995-06-01 Rev.B ----------------------------------------------------------------------------- IPS-3000 RS-232Cレベルコンバータ・インターフェース(RSV型) DB9(雌) IPS-3000 2(RD)-------------+ +-------------------------------->2(TxD) 赤 | |+------------------------------->4(SENS)黄 1(DC)----+ | || +--------+ | | |+-|1 20|-------------------->3(RxD) 橙 3(TD)-+ | | +--|2 19|------+ | | | |3 18|-----+| +5V--------->5(Vdig)緑 | | | |4 17|---+ || +5V--------->7(Vrf) 青 | | +-------|5 16|--+| || (RTS) | | +--------------|6 15|-+|| || GND--------->8(GND) 紫 7---+ | | | +5V<-+-------|7 14| ||| || GND--------->9(GND) シールド | | | | |8 13| ||| || ___ 8---+ | | +------+-------|9 12|-+|| || +----->1(RES) 茶 (CTS) | | | +--|10 11|--+| || \ | | | | +--------+ | || / R1:100KΩ 5(GND)| | /// | MAX203/SOP | || \ | | (GND) +---------------+ || / (DSR) | | | (c)1995 || +5V | 電源入力(MiniDIN6pin) 6-----|--|-------------+ By JH1RSV || <----+---------------->+5V(pin4) | +-------------------------------+| = C1:0.1μF +-----------------------------------+ <----+---------------->GND(pin3) GND ----------------------------------------------------------------------------- (回路図1)  現在、我々が安価に入手可能なGPS受信機としては、SONYから発売されてい るIPS−3000があります。発売当初は、秋葉原でも簡単には入手出来ませんで したが、最近では、2、3店の店頭で常時在庫もある状況となっており、簡単に入手 可能です。  このSONYのIPS−3000をパソコンで使用するには、IPS−3000の 出力信号レベルがC−MOS/TTLレベルであり、これをパソコンのRS−232 Cポートへ接続する為の、レベルコンバータ・インターフェース回路と、IPS−3 000の電源、及び上記インターフェースへの電源である、+5Vの供給が必ず必要 となります。  具体的には、電波実験社発行の月刊「モービルハム」誌94年6月号掲載の桑野さ ん(FGPSシスオペ)の回路では、MAX232を使用し、電源も電池を使用して、 C−MOS/TTL<−>RS−232Cインターフェース回路と電池を、ケースに 納めた形態が採用されていました。これに対して、私の実験回路と試作は、インター フェース回路にMAX203/SOPを使用し、この回路をRS−232Cポート接 続用のDB9コネクターケース内に納めてしまったのと、IPS−3000及びイン ターフェース回路用の+5V電源を、パソコンの持つPS/2キーボード(またはP S/2マウス)ポートからとるようにし、取り扱いが容易でシンプルな構成を実現し ました。(回路図1)  回路的には、桑野さんのOMH型インターフェースと、私のRSV型インターフェー スは、全く同等ですので、既にOMH型で実験されている方は、そのまま今回のソフ トウェアでも使用可能であるのは、言うまでもありません。自作される場合、MAX 203/SOPは、表面実装型のICで、ピン間隔もMAX232に比べると、半分 しか無いので、制作には注意がより必要です。特にDB9ケースがメッキ処理の施さ れた物の場合、絶縁にも十分注意して作って下さい。  制作方法、及び構造は、DB9雌コネクターの上下ピンの間に、15mm四方程度 の基板を瞬間接着剤で固定し、この基板にMAX203/SOPを、同じく瞬間接着 剤で固定して、DB9とMAX203/SOPのピン間と、IPS−3000からの 信号線を配線して、これに電源ケーブルを配線します。IPS−3000のリセット ラインに接続する、プルアップ抵抗の100KΩは、IPS−3000付属の説明書 に掲載されている参考インターフェース回路図にはありませんが、これが無いとIP S−3000は動作しませんので、注意して下さい。IPS−3000個体差や動作 電圧によっては、47KΩ程度でないと動作が不安定になる事も報告されていますの で、環境に合わせてカット&トライをされて下さい。  電源はノートブックパソコンが、DOS/V系の場合は、大抵PS/2キーボード か、PS/2マウスのポートを装備しているはずですので、ミニDIN6ピンのコネ クターを使用すれば、これらの端子から電源を供給可能です。パソコンの機種によっ ては、これらのポートが装備されていないか、もしくは装備していても、電源容量的 に問題がある場合もありますので、使用環境に合わせて採用して下さい。  IPS−3000本体には、車載する為のルーフ固定用に、小型のマグネットを装 備します。このマグネットは、電話用のモジュラージャック用ボックスを、ビジネス 机に固定させる為の物を流用しました。電話の部材店等で、簡単に入手可能です。こ のマグネットは両面接着テープがついているので、直接IPS−3000へ4個程を 張り付けておけば、高速道路等でもIPS−3000が飛んでいってしまうという事 は、まずありません。(実験では、160Km/hでも全く移動しませんでした。)  IPS−3000を車内のダッシュボード等に乗せておくだけでも、それなりにG PS衛星からの電波を受信可能ですが、やはりルーフトップへ設置する事により、都 会のビル間の道路や、樹木の多い山林の道路等では、ダッシュボードへ置いただけの 状態と比べると、遥かに良い結果が得られます。特に、測位の精度で、3GPS衛星 使用と、4GPS衛星使用では、測位誤差もかなりの違いが生じますので、IPS− 3000に限らず、市販カーナビを使用する場合でも、アンテナはルーフトップへ設 置するのが好ましいでしょう。  私が執筆した、本インターフェースを使用した実験の記事が、1995年7月号の 月刊「モービルハム」誌で掲載されていますので、合わせてご覧下さい。                       JH1RSV 清水 隆夫 PFE01146